取材協力:
法律事務所アルシエン清水弁護士
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法律事務所アルシエン清水弁護士
某大手掲示板より中傷書き込みをしていた人が風評チェッカーに書き込みをしているという報告を受け、アルシエン弁護士事務所より依頼人であるSさんの委任状が届きました。我々風評チェッカーは相談者と弁護士にその状況を確認し、捜査協力を行いました。
IP開示からプロバイダ請求まで行い、発信者の情報を割り出し、犯人の特定まで至りました。今回、本当に特定に至るまでのプロセスを事例を通して法律事務所アルシエンの清水弁護士にその一部始終をインタビューしてみました。
(株)アークH.DK
法律事務所アルシエン清水弁護士
今回は某掲示板に書きこんでいたとされる投稿者が風評チェッカーにも書きこんだ可能性がある為、IPなどのログを提出して欲しいと委任状を元にご相談を頂きましたが、特定に至るまでのプロセスをご教示頂けますでしょうか?
まずサイトに対してのIPアドレスの開示請求を行い、ご存知の通りプロバイダがわかり今度はそちらに開示請求を行う流れとなります。
プロバイダは契約者の情報をもっているので御社から提供頂いたデータを元に調べたところ、そこはだったんです。
だったんですね!
そうです。に開示請求を求めたところ、「開示に同意しません」という返事がきました。
そう簡単にはいかないですよね…
ただ今回の件、代理人がついておりまして、開示には同意しないがそこに連絡を取ってくれと書かれており、そこに連絡したところ発信者は身分を明かしたくないとのことだったが、にはログがあるのがわかっているので、に開示請求をすれば更に請求が掛かる旨を伝えたら、相手は折れたという経緯です。
なるほど。確信のある情報を元に開示を求めれば結構すんなりいけるものなんですね。
開示について今回の件に限らず発信者を特定する上で社会的地位が脅かされたり、「権利の侵害」が明かである場合のみ情報の開示が認められると思いますが、今回はこれに該当していたんですか?
今回は某掲示板やこのサイトにて個人を特定できる(プライバシー侵害)にあたる情報を幾度なく投稿されたケースがありました。
個人情報として名前が代表的なものになるかと思いますが、よく掲示板でもみかける名前に伏字をした場合はどうなんですか?
本人からだけ見てわかるものであると難しいんですが、他の人から見て「この人のことだよね」という事がわかれば…
例えば、私は清水陽平という名前ですが、
「弁護士の清●陽平」のように水の部分だけ●にしていたり、
「アルシエン●●洋平」のように書かれていたり、
前後の文脈から誰のことかわかる情報があれば、相手に対して『権利侵害』だと言える余地があります。
なるほど、でも「バカ」とか「氏ね」などこういった本人に対して不快に思うだろう書き込みも見かける事が多いですが、こちらに関しては難しいですよね?
こちら名誉毀損にあたるのは難しいですが、不倫など内容によっては名誉毀損にあたるわけですよ。
ただ単に悪口だけじゃだめってことですよね?
自分が不快だという程度では権利侵害とは呼べないことが多く、何かしらの事実関係が前提となっていないといけないと思った方がいいと思います。
しかし罵倒が繰り返されている「バカ」とか「氏ね」とか書かれており誰がみても問題であると判断できるレベルであれば『名誉感情の侵害』にあたる予知が出てきます。
名誉感情……初めて聞きました。ただこの辺は判断が難しいと思うので、やはり相談してみた方が間違いないですよね?
そうですね。
もし相談してみたい!と一歩踏み込んだ場合、用意するものってありますか?事実関係を証明するものだったり書かれているスクショなど…それ以外何かありますか?
材料はあった方はいいですが、少なくとも該当のURLとキャプチャがないとそもそも開示請求はできません。
その後事実関係について色んなケースがありますが、脈絡が他の人がみたらわからないので、そこに至った経緯を説明頂けると分かり易いと思います。
何が証拠になるのか本人が把握できていない事も多いので、背景や事実関係をお聞かせ頂いた上でこちらから「こんな情報ないですか?」って確認する事も多いです。
そのあと費用面や裁判をしたのかなどスケジュールを踏まえヒアリングをさせていただきました。
プロバイダに関して開示請求行うと別途25万円+実費が2万円ほどかかるそうです。
発信者を特定した後の流れについて、そこからが本番かと思いますが、まさか相談者が発信者に直接何か行動を起こすのではなく弁護士側から何かすることが多いですよね。
本人で対応するって例もありますが、だいたい引き続き対応して欲しいという例がほとんどです。
対応の例として大きく3つあります。
3つとは?
大きく分けると民事上の手続きと刑事上の手続きに分かれます。
それで民事の手続きが2つあって、裁判を使わない方向と使う方法ですね。
使わない方法だと内容証明郵便等を使って相手に対して「あなたにという事を書かれている事が発覚しました。を請求をします。」というような本人の意向を考慮した文章を送ります。
損害賠償を請求するケースが多いですが、大体2~300万円請求する人が多いですね
…そのくらいの額が一般的なんですね…。
あとは今後書きこむなとか、動機はなんだ?示せとか、あとは反省文だせとかそんなあたりが要求になるかと思います。
これ無視したり、知らないフリみたいな事する人いないんですか?
そもそも開示請求の段階で、プロバイダから意見照会というものが送られているんですね。
これに対して同意するか?拒否するなら理由を聞かれます。この時点で大体状況を把握するはずなんです。
そうなったらだいぶパニックになりそうですね。
そうですね、それよりもやはり身内だったり会社に知られたくないなどの等の問題も出てきますし、賠償金や弁護士費用もそれなりに上乗せとなるので、書きこむ方もそれなりのリスクを知ってもつべきかと思います。
匿名だからわからないだろうと気軽に過剰な発言をしてる方はいませんか?
IPアドレスを偽装すれば良い、特定されない方法なんて色々ある…
そんな問題ではありません。モラルの問題です。
実はすでに書き込まれて困っている
消される前に証拠として残したい、蓄積したい
...等のご相談がありましたら、風評チェッカーにご相談ください。
ネット上で書かれている評判や悪評を即座に検知し、対処の方法をご提案いたします。